2024年度 理事長所信

 

Be Better

~信頼と絆で、笑顔あふれる明るい未来へ~

基本方針

●会員拡大  ~次代へバトンを繋ぐために~

●ひとづくり ~助け合いの精神をもち、信頼される人へ~

●組織づくり ~より良い変革、絆の力で次代へ繋ぐ~

●まちづくり ~笑顔あふれる明るい未来を創る~

 

はじめに

 2018年、私は青年会議所の門を叩きました。当時の私は、仕事においての顔を広げるため、様々な地域の団体に所属しており、とにかく知り合いを増やそうと考えていました。ある日、お世話になっている地元の先輩から「JCに入れ」と連絡があり、半ば強引に、異業種交流会に行くことになったのを覚えています。「青年会議所」や「JC」という名前も一切聞いたことが無く、何をしている団体なのかも分からず、入会にあたっては多少の躊躇がありました。しかし、そこで出会ったメンバーは人前で堂々とスピーチをし、自分の想いを語り、人のため、地域のためと、目的に向かってしっかりと行動出来る志高き青年たちでした。人前で話すことの苦手な私は、当時の理事長が堂々とスピーチをする姿に憧れ、そしてスポンサーをしていただいた先輩がとても親切で、ユーモアがあり楽しく、この組織なら続けられるかもしれない、いつか彼らのようになりたいと感じ、入会を決心しました。入会してから現在に至るまでの6年間、様々な役職を経験させていただき、多くの成長の機会を与えて下さり、現役メンバー、そして先輩諸兄姉には心から感謝しております。これまで半世紀という長きに亘り、この組織を存続させ、その時代に合った「明るい豊かな社会の実現」を目指し活動してきた諸先輩方に敬意を表し、この組織を次世代へ繋ぐため、幾多の苦難や困難も成長の機会と捉え、笑顔あふれる明るい未来に向けて前進していきます。

 この度、2024年度理事長という大役を務めさせていただくことを誇りに思い、これまで培った経験を余すことなく存分に発揮し、英知と勇気と情熱をもって青年会議所活動に邁進してまいります。

●会員拡大  ~次代へバトンを繋ぐために~

島根大田青年会議所にとって会員拡大は、喫緊の最重要課題です。会員の減少が続くと、JC活動における一人ひとりの仕事量が増えるだけでなく、個々の会費によって運営する青年会議所にとって、運営資金の減少にも繋がります。そして同時に、まちづくりの担い手の減少という意味でも非常に危機的な状況であり、事業の規模を縮小せざるを得ない状況となってしまいます。私たちが明るい豊かな社会の実現を目指し、まちづくりを行い、地域により良い変化をもたらすためには、まず会員拡大を推し進めていかなくてはなりません。

近年ではこの危機的状況を打破するために、会員拡大系委員会を設置し、若者交流会やSNSでの広報、全会員での拡大リストの共有や更新等を実施してきました。それらを継続的に行うことが、本年度のみならず数年後の会員拡大にも繋がっていくと考えます。会員拡大においては、青年会議所を知ってもらい、入会するメリットを伝えること、熱意をもって私たちの志を伝えることが重要だと考えています。そして、現役会員が笑顔で地域のためにJC活動をしている様子を発信し、「青年会議所ならば地域を任せられる」と、市民から信頼され、市民が憧れるような輝いた存在になる必要があると考えています。そのためには、新入会員や経験年数の浅い会員への指導や伴走支援といったフォローアップはもちろんのこと、出席率の低下や途中退会を避けるためにも、現役会員が青年会議所の理念を理解、再確認し、志を高くもち、JC活動への意識を向上させることが必要だと考えています。また、会員が笑顔で安心してJC活動が出来るように、会員相互の親睦を図ることも重要であり、交流促進や日々のケアを行い、会員一人ひとりが思いやりの心をもってJC活動を行ってまいりましょう。

 同志となりうる青年との出会いの機会を創出し、OBの諸先輩方にも連携、協力を仰ぎ、拡大候補者に対して会員一人ひとりが拡大意識をもってアプローチすることが重要です。長きに亘り継がれてきた、まちづくりのバトンを次代へ繋ぐためにも会員拡大を全員の力で推し進めてまいりましょう。

●ひとづくり ~助け合いの精神をもち、信頼される人へ~

Jayceeには使命があります。どうして青年会議所があるのか、私たちの使命を今一度見つめ直し、JC運動や活動の意義を理解すること、会員一人ひとりが目的意識をもって物事に取り組み、日々活動していくことが大切です。JCIクリードの文末に「That service to humanity is the best work of life.」(人類への奉仕が人生最大の使命である)という言葉があります。これは、人類という大きな言葉を使っていますが、あなたのすぐ隣にいる困っている人を助ける、力になってあげることから始めるのが重要な一歩ではないでしょうか。これは青年会議所活動だけではなく、家庭や仕事、地域の活動でも同じです。何の躊躇もなく人助けが出来る、自己犠牲を払ってでも他人のために努力出来る、周囲から信頼される人は、それを当たり前のように出来る人だと確信しています。そんな人間性や、一生懸命取り組む姿勢は、家族や周囲の人からも応援され、私たち青年会議所の仲間を増やすことにも繋がると考えます。

 また、様々なプログラムや講演会を通し、自身のスキルアップや人脈づくりに励むことも重要です。JCには一年を通して、LOM、ブロック協議会、地区協議会、日本の事業に参加出来る機会があります。全ては難しくとも、一つでも多くの事業に参加することで新しい考え方に出会い、新しい仲間と出会える機会が生まれます。自らが積極的に成長の機会へと向かい、自身のスキルや知識に磨きをかけ、ネットワークを広げ、助け合いの精神をもって、「より良いひと」となりましょう

●組織づくり ~より良い変革、絆の力で次代へ繋ぐ~

 島根大田青年会議所は、創立以来長きにわたり培われてきた伝統を重んじて活動を続けてきました。古き良き伝統の重みを感じ、そして今後も次代へ繋ぐ必要があります。しかし、近年は会員数が20名を切ってのスタートとなっております。もちろん会員拡大は最重要課題ではありますが、少ない人数でも出来る円滑な組織運営を考え、今を見つめ直し、時代に合った組織を目指し、柔軟に対応していかなければなりません。次代へ繋ぐべき伝統、新しい試みにより簡略化すべきこと、総務マニュアルの見直し等、様々なことに目を向け、メリットやデメリットを考え、積極的に実践し、組織により良い変革をもたらしましょう。

 ここ2年間、会員減少により会員一人ひとりの仕事量が増えている現状があります。理事や委員長ばかりが動くのではなく、会員一人ひとりの力でこの組織を運営しているという意識、協力する姿勢が大切だと考えます。私の考える「より良い組織」は、会員同士の信頼や絆が深く、助け合いの精神をもった組織です。しかし、青年会議所に所属しているというだけでは、信頼や絆を構築することは出来ません。会議に出席し、本気で議論をし、事業を通して共に汗を流し、様々な経験を共有することで信頼や絆は生まれます。JC活動において、誰でも上手くいかないことはあります。他者に手を差し伸べることの出来る人が多いほど、組織の力を高めることが出来ると考えています。青年会議所という組織は人の絆で成り立ち、会員同士の絆が次代へ繋ぐことの出来る持続可能な組織づくりに繋がると確信しています。

 また、地震や豪雨など自然災害や異常気象への備えも重要です。2019年に島根大田版BCP(事業継続計画)の策定をしてから5年が経ちました。組織や地域を存続させるために、会員が安心してJC活動が出来るように、BCPを更新し、日頃から備え、外部団体ともしっかりと連携をとり、行動出来る組織となりましょう。

●まちづくり ~笑顔あふれる明るい未来を創る~

 2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、現代社会に多大なる影響を与えました。2023年5月から5類感染症に移行し、制限も緩和され、少しずつではありますが、以前と変わらない地域活動、JC活動が出来るようになりました。しかし、私たちの地域の課題は山積したまま、人口減少や少子高齢化等、この愛すべき郷土が消滅してしまわないように、地域の活力を損なわないように、私たち一人ひとりが当事者意識をもって、この大きな課題に立ち向かい、より良い地域、持続可能な地域を目指していかなければなりません。

私の考える「より良い地域」とは、そこに住み暮らす人々が笑顔で健やかに暮らせる地域です。誰もが郷土を愛し、人と人との繋がりが深く、誰一人取り残すことのない、笑顔あふれる明るい豊かな社会であると考えています。その実現に近づくためには、まず現状の地域課題を理解し、課題解決に向かわなければなりません。時代の先導者たる私たちが行動することはもちろんのことですが、そこに住み暮らす人々も共に考え、共に行動することが更に重要なことだと考えます。

より良い地域を目指すために、行政や他団体等も巻き込み、市民と協力し、交流の機会を通して互いの考えを理解すること、地域全体で課題解決へ向かう姿勢が大切です。私たちが愛する郷土に交流の機会を生み出し、人と人との繋がりをもって、笑顔あふれる明るい未来を創出しましょう。

●おわりに

 2024年度スローガンの「Be Better 」は国際青年会議所のスローガンでもあり、「より良くあれ」という意味です。個人のスキル、組織、地域社会、様々なことにおいて、過去より今、今より未来へ少しずつでも前進し、より良くなっていくよう想いを込め、掲げさせていただきました。

人生には様々な成長の機会があり、そして私たちは、新しいことに挑戦することを恐れない、時代の先導者たるJayceeです。一生懸命、真摯に立ち向かったことであれば、失敗をしても良いです。一生懸命活動している人には、必ず誰かが協力してくれます。失敗を恐れず挑戦したその先の未来にこそ、成長した自分が見えてきます。あなたは「きっと君なら出来る」と期待され任されているのです。各々与えられた役職や職務、地域の活動、日常生活での小さな頼まれごとも同じ、全てのことを成長の機会と捉え、全身全霊で取り組み、全うすることが「より良い未来」へ繋がると確信しています。「より良いひと」「より良い組織」「より良い地域」を目指し、全員で足並みを揃え、一歩ずつ確実に、歩みを進めてまいりましょう。

 

笑顔あふれる明るい未来のために。