2020年度 理事長所信

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水滴石穿

~地域で一番輝く存在を志す~

理事長 中田 敏彦

基本方針

●会員拡大   ~拡大熱を全員に~ 
●人づくり   ~自信に満ちた会員を目指して~ 
●組織づくり  ~連帯感・責任感・使命感ある組織へ~
 ●創立50周年に向けて ~古きを訪ねて新時代に向かう~

はじめに

 私は地元の高校を卒業し、県外の学校に進学した後、二十歳の時から大田で働き始め16年が経過しました。地域行事に参加することにとても興味はあったものの、勉強するのは学生の時だけと勝手に決め、パソコンやスマートフォンもほとんど使わない、スケジュールも暗記で覚えておけるほどしか入れていないなど、社会人になってからは、ただただ平凡な毎日を過ごしていました。
 青年会議所の存在は知っていたものの、携わることはありませんでしたが、ある時青年会議所メンバーと数か月間活動を共にする機会がありました。そこでは自分より若い世代の人たちや今まで出会ったことのない人たちが、住んでいる地域の枠を越え、真剣に議論し活動する姿がありました。計画から実施、その後の検証に至るまでの正確な作業工程をこなす姿に心動かされ入会する決断をしました。また、その時感じた成功した時の喜び、まちづくりに対する真摯な姿勢は今でも私の記憶に深く残っています。新しい人生をスタートさせるのに遅すぎるということはなく、誰もが志一つで変わることができるのだと身をもって実感しました。青年会議所では出逢いや成功体験だけでなく、失敗を参考にして学ぶこともできます。そのような青年時代の体験は一生涯の財産となり、人を大きく成長させ、より良く変化させてくれると確信しています。
 令和の時代を向かえた現在も、社会経済の不安定な状態が続き、少子高齢化問題も深刻な状態であると感じます。そんな中、2020年には東京オリンピックの開催により、経済効果や日本文化の発信力の増強が期待できるなど、変革をもたらす年になることが望まれます。私たちが暮らす大田市においても、IT企業の新規進出や三瓶山で第71回全国植樹祭の開催が予定されるなど地域はにわかに活気づいてきています。近年では青年の力に対する地域からの期待の大きさを感じています。だからこそ、私たち青年世代も地域社会に対して興味を持つだけの立場から、実際に参加して主体的に関り次世代を育むための活動をする立場に転換する時期ではないでしょうか。青年会議所活動で培ったことを地域社会において遺憾なく発揮し、地域を変える原動力として責任ある行動をとり、リードする存在にならなくてはなりません。私たちの暮らす地域をよりよくするために、青年会議所の掲げる「明るい豊かな社会の実現」を目指し、人づくりを通じてまちづくりをする団体となることを志します。2020年度理事長という大役を務めさせていただくにあたりこれまでの経験を余すことなく発揮し青年会議所活動に邁進してまいります。

会員拡大 ~拡大熱を全員に~

 青年会議所において会員拡大は長年取り組んでおり、その重要性は誰もが認識してはいるものの、続けていくことが困難を極めるLOMもあるほど、なかなか結果を残すことができない課題であると感じていました。近年、島根大田青年会議所では順調に入会候補者の皆さんと知り合い、入会に繋げるケースが定着しつつありますが、転勤での流出や卒業の定めを迎えた時の減少は避けることができないため、これからの組織運営を考えるとこれまで以上に会員拡大を推し進めていくべきであると強く感じています。
会員は組織にとって重要な存在であり、多くの会員と共に過ごすことは、私たちの活動や運動を行う上でより良い影響を与えてくれることとなります。入会を決める瞬間は人それぞれで、長年かけて少しずつ理解を深めていただく場合や短期間でも青年会議所の魅力を理解してもらい入会に繋がる場合がありますが、どちらのケースにも重要なのは私たちの日ごろの活動姿勢です。私たちの活動を見た地域の皆さんから、あこがれの視線を浴びることが重要になります。そして、会員の誰もが青年会議所の良さを実感し、輝いた存在になり青年会議所の魅力を伝えていくことが、あの会に入って一緒に活動したい、あの会になら任せられると会員拡大を意識的に行わなくても入会者が増加する追い風となることも考えられます。そのためには、これまで以上に会員が地域の諸行事に積極的に参加して青年会議所で培ったことを発揮することで職場や家族、地域の方々から尊敬や信頼を確立し、多くの入会候補者となる方と出会いその縁を大切に育み、入会の後押しをしながら未来の仲間を育てていきましょう。
さらに、これまで築き上げた手法と情報にさらに磨きをかけると共に、成功の事例など最新の手法も俊敏に取り入れ拡大熱を会員に伝達し、全員で会員拡大成功に向けて取り組んでいきましょう。

人づくり ~自信に満ちた会員を目指して~

 青年会議所では独自のプログラムを有しそれを受講することや外部から講師をお招きし講演会の開催などを通じて、常に時代の先端を追い求めながら、個人の資質向上に向けて学ぶと共に、発展の機会を提供してきました。現在では入会年齢の高齢化に伴い、そのような貴重な学びの時間が少なくなっているのが現状です。
また、青年会議所に所属して自身の成長を実感しやすい部分がリーダーシップを身に着けることではないかと感じます。その中でも、社会に出てまず必要とされるのがコミュニケーション能力であり多くの会員が案外と苦手であると感じています。伝えたいことがうまく伝わらない、先頭に立ち統率するのに苦労するなどの経験をしたことも多くあります。多様な伝達の手段がある現代においてコミュニケーションの方法は様々ですが、便利なツールを利用して作業の能率を上げていくことも有効な手段として活用されています。しかし、いくら便利な機能を利用しても基本的なコミュニケーション能力が備わっていなければ本来の効力を発揮することはできません。そこで、更なる利便性や発展のためにも基礎となる部分を強化し、青年会議所でやるべきことを明確にし、貴重な学びの機会一つひとつを価値ある時間として創出しましょう。そして、今現在の私たちの課題をしっかりと分析し、補うことが必要な項目を重点的に補い、さらに伸ばすべき能力についてはさらなる高見を目指して会員の成長に直結する施策を練って事業を構築することで、青年会議所活動だけに通用するのではなく、企業や社会に貢献できる能力を養いましょう。
さらに、私たちは地域で一番輝く存在を志すために、青年会議所に所属しているメリットを最大限生かし自己成長に繋げることはもちろん、アンテナを高く張り外部からの学びの機会も会員に積極的に発信し、各種大会にも参加することで更なる会員の能力の向上を目指しましょう。また、会員でなくても受講できるプログラムも存在しています。私たちの活動を広める意味でも未来の仲間を育てる意味でも受講の機会を創出して青年会議所からの恩恵を広めていきましょう。

組織づくり ~連帯感・責任感・使命感ある組織へ~

 島根大田青年会議所では創立以来長きにわたり培われてきた伝統を重んじて活動を続けてきました。定款の規定に則り厳粛な会議運営が行われてきましたが、近年では諸会議の設営を行うのも数名の会員で準備するなど困難な状態が続いています。そのような状況を打破するために会員拡大に加え組織としても新しい取り組みを取り入れる工夫が必要であるのではないかと感じています。
青年会議所運動を広めていくためには、会員の組織に対する連帯感、責任感、使命感などの要素が必要不可欠であると考えています。近年では総務マニュアルの利用に加えて、テクノロジーの活用を行いクラウド導入するなど、従来の運営方法から改良を加えて実施してきました。長年続いてきたことを変えることは難しい面や抵抗もあるかもしれませんが、組織の規律と新しい考えがうまく融合した時に輝いた存在の組織を作り上げることができると考えています。時代の考えに合わないものや受け入れがたいものについては社会環境の変化も考慮して積極的な見直しが必要になりますが、ただ楽な方に流れるのではなく、取り入れてからのメリットや無くしてしまうことのデメリットをしっかりと分析し、今ある規則についても日々議論し、組織の成長に直結する施策を行い、数と質の両輪となることでのさらなる充実を目指し、令和の時代に適した組織運営を模索して構築していきましょう。
 また、日本各地で地震や大雨などの自然災害が多発しています。昨年から島根県西部地震の被災を教訓として防災への取り組みを行う中で、島根大田版BCPの策定や社会福祉協議会との災害ネットワーク協定など組織を守り地域を助ける活動も行ってきました。備えあれば憂いなしの言葉にもあるように、もしもの時に備えて万全な体制を整えておくことで、全ての会員が安心して青年会議所活動を行えるように備えておきましょう。

創立50周年に向けて ~古きを訪ねて新時代を向かえる~

 1972年島根大田青年会議所は全国で507番目のLOMとして設立されました。2021年度には創立50周年を迎えますが、現役の会員の中にも創立40周年、45周年を経験した会員は多くはありません。創立50周年という記念すべき年を迎えるにあたり設立当時の想いや引き継いできた伝統を振り返り新たな歴史を切り拓いていくためにも、過去を学びこれからの島根大田青年会議所の未来について考えておく必要があります。
 青年会議所の捉え方も「JCしかない時代」から「JCがある時代」さらに「JCとやる時代」のように変化してきています。目まぐるしく社会が変化する現代において、設立時には予測もつかなかった新たな社会課題が起きている状況です。当時の流行は時代を一巡してまた流行ることもあります。設立当時に思いを寄せて希望を持ち、夢を追求する姿はどのようなものであったのか、設立の意味をしっかりと理解して、志高い青年として、感謝の念をあらわすと共に大事業を迎えるにあたり会員が一丸となり素晴らしい事業の成功に向けて歩みを進めていきましょう。2021年へのバトンをしっかりと繋ぐために会員の士気を高め、創立50周年を盛大に迎えられるように準備していきましょう。

おわりに

 水滴石穿(すいてきせきせん)とは、小さい力でも積み重なれば強大な力になることのたとえでもあり、一滴の水も同じ位置に落ち続ければ、いずれ石に穴をあけることができるという意味があります。大きなことをするための小さな一歩をする工夫、毎日続ける習慣が大きなことに役立つことと信じています。
 過去には60名以上いた会員も3分の1程度に減少し、これまでと同じ規模の活動を維持していくことは困難を極める状態となっています。このような中での活動はうまくいくこともあれば、困難にぶつかり苦しい思いをすることもあるでしょう。しかし、この現実を悲観的に捉えるだけでなく、2019年度から青年会議所が推奨するSDGsで社会に存在するあらゆる課題を解決しながら持続可能な社会の創造を行うように、時代に即した組織に変革し、持続可能な方法を模索していくチャンスととらえ活動してまいります。島根大田青年会議所の長い歴史の中の1ページを着実に、しっかりとした歩みで創立50周年に向けて、その先の未来に向けて、志高く前進するために。